除染ボランティアに行かないで

先日、ニュースを見てビックリしました。

以下、ニュースサイトより転載
http://www.asahi.com/special/10005/TKY201111130157.html

東京電力福島第一原発の事故により放射性物質が降った福島県伊達市で、細野豪志環境相が13日、ボランティア約60人と一緒に民家を除染した。

    中略

環境省は8日には、福島県内の市町村が募集する除染ボランティア情報を紹介するホームページ(http://www.env.go.jp/jishin /josen-plaza.html)を開設した。伊達市の募集要項も載っている。細野環境相は「除染は人手がかかるので、全国からボランティアに来てもらうのは有効な方法の一つだと思う」とPRした。


この動画を見ていると、被爆防止の防護策としては、防塵マスクとゴム長靴ぐらい。服も手袋も普通の軽作業だし大丈夫かなぁ? よく聞き取りにくいんだけど、作業前は3μシーベルトが2μシーベルトに下がったってことをアピールしてます。

ちなみに「放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律」で放射線管理区域の規定は「3月あたり1.3mSv」です。これを1時間あたりで計算すると0.6μシーベルト。

えっ! 0.6μシーベルト?

放射線管理区域で働く労働者の外部被ばく及び内部被ばく線量を測定しなければならないとされてます。でも、そんなことしてるように見えません。

実際、福島県の半分が放射線管理区域の汚染地域。200キロ以上離れた東京都にも同様の場所が存在します。そこで生活する人がいるからって、放射線管理区域の作業にふさわしい防護しなくていいってことはないです。

上記、環境省のホームページには下記のように記されてました。

「ボランティア活動中の様々な事故による怪我や損害賠償責任を保障する保険がありますので、保険の補償の範囲(通常、放射線被ばくは保険の対象外)や保険費用を踏まえて、ご加入・ご更新をお願いします(原則、自己負担です)」

えっ〜!! ボランティア保険の加入を勧めているのに、放射線被ばくは保険の対象外だって!!! しかも、自己負担...

そもそも、誰が除染しないといけなの? 当然、原因物質をまき散らした東電。そして、原発を推進している我が国の政府です。

「電離放射線障害防止規則」第28条では、下記のように規定されています。

「事業者は、粉状又は液状の放射性物質がこぼれる等により汚染が生じたときは、直ちに、その汚染が拡がらない措置を講じ、かつ、汚染のおそれがある区域を標識によつて明示したうえ、〜中略〜 その汚染を除去しなければならない」

今回の場合、放射性物質をまき散らした東電が除染しなければいけないですよね。それも「直ちに」。政府は法律に従って、法律を守らせないといけません。ところが、重大な法律違反を犯している東電を援助し、善意のボランティアに「自己責任」でその後始末をお願いしています。

こんな違法行為はあり得ないです!!!

除染ボランティアにいかないで。もし、これが原因で病気になったり、死んだりしたらどうします? 東電も国もまったく責任を取らないですよ。完全な「自己責任」。しかも彼らの違法行為を手助けするために。そうなったら、本当に犬死にじゃない。

もちろん、放射線レベルが高い地域に住んでいる人にとって、一日でも早く安全な生活を取り戻したいと考えることは当然なことだと思います。でも、そのために善意の第三者を犠牲にしてはいけません。

除染は、原因者である東電が責任を持って、「直ちに」行わないといけないのです。彼らに責任を取らせないと、本当の復興はあり得ないです。